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エアロファシリティーからのお知らせです
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2025.05.22
「近代建築」5月号に記事広告を掲載しました
この度、月刊誌「近代建築」5月号に弊社の記事広告を掲載いたしました。
「磁界が妨げる未来の空」と題し、屋上ヘリポートにおける磁界の乱れが空飛ぶクルマやドローンに与える影響について解説しています。
以下記事本文
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磁界が妨げる未来の空 — エアロファシリティー
能登半島地震では、ヘリコプターやドローンが重要な救援手段として活躍し、空路の有効性が改めて注目されました。そうした中、都市部に設置されているビル屋上の緊急離着陸場では、鉄筋コンクリート構造による「磁界の乱れ」が航空機のセンサーに影響を及ぼす可能性が指摘されています。将来的な「空飛ぶクルマ」の運用を見据えるうえでも、こうした建築的課題とその対策は早急な検討が求められます。本稿では、具体的な事例を交えながらこの新たな課題に迫ります。
◆ビル屋上、空のインフラとしての可能性
能登半島地震では、陸路を寸断された中で、ヘリコプターやドローンが人命救助や情報収集に大きく貢献しました。高齢者や妊産婦の搬送、医療物資の輸送など、空からのアクセスが災害対策を支える“命の道”であることが改めて確認されたのです。
また、空路の活用は都市部においても例外ではありません。大規模地震などが発生した場合、倒壊や火災、交通規制により道路が使えなくなることが想定され、陸路による搬送が困難となるケースも少なくありません。
そのような状況下で、都市部に多く設置されている高層ビル屋上の「緊急離着陸場」は、災害時の空域インフラとしての期待が高まっています。今後さらに、eVTOL (空飛ぶクルマ) の普及により、これらの緊急離着陸場は都市の新たな「Vポート」として活用される可能性を秘めています。
◆磁界の乱れが生む新たなリスク
ところが、そうした期待に対し、重要な課題が顕在化しています。それが「磁界の乱れ」による航空機システムへの干渉です。多くのビル屋上の「緊急離着陸場」は鉄筋コンクリート構造で建設されており、磁気を帯びた鉄筋によって磁界が乱れていることが確認されています。この磁界の乱れが、ヘリコプターやドローン、空飛ぶクルマに搭載された磁気コンパス、磁気センサーなどの計器類に誤作動を生じさせるのです。
ヘリコプターの運航会社に聞いたところ、複数の操縦士が「そうですよ。○○の屋上ヘリポートは酷いです。だから我々は上空でマグネットメーターのスイッチをオフにしてから着陸します。今ではVFR(有視界飛行)だから問題ないけれど、確かに自律飛行のドローンや空飛ぶクルマは無理ですよね」と警鐘を鳴らしています。実際、鉄筋コンクリートの構造物上では、数キログラムのドローンですら離陸できない事例も発生しています。
◆非磁性構造による解決策
こうした問題への解決策として、エアロファシリティーでは「非磁性構造部材」の活用を提案しています。非磁性床版やアルミデッキ、磁化の影響を受けにくい施工技術を取り入れることで、離着陸場での磁界リスクを大幅に軽減できます。
また、構造体そのものを非磁性化することで、将来的にeVTOLや大型ドローンが自律的に離着陸できるインフラへの転用も容易になります。「緊急離着陸場」や「ヘリポート」新設時に、この視点を取り入れることが、今後の都市防災と次世代モビリティの融合を支える鍵となるのです。
◆今こそ“空の設計”を見直すべき
災害はいつどこで起こるか分かりません。私たちはその時に“使える”空のインフラを整備しておかなければなりません。単に「屋上にHマークがある」だけでは不十分で、機体が安全に離着陸し、速やかに搬送・支援が行える構造と設備、導線が求められています。これを構築の段階から整えていくことで、都市は“空からの支援”にも強くなるのです。
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・媒体名 : 近代建築
・発行年月 : 2025年5月号
・掲載ページ : p.2~p.3
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