コラム
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「新・ヘリポートの造り方」
2025.12.05
【病院ヘリポートの造り方】第3回:建設コストを倍増させる「先送り」のリスク
「ドクヘリ拠点になる可能性が高いが未決定のため、新しい救命救急棟建設時に格納庫や給油設備を一緒に工事できない」というご相談を、病院側からいただくことがあります。
確かに、正式決定していない段階で予算を投じることには慎重になるのが当然かもしれません。しかし、拠点病院になる可能性が高いにもかかわらず、「決定していないから」という理由だけで準備を完全にストップしてしまうのは、非常に大きな機会損失を招く恐れがあります。
最大の懸念は建設コストの増大です。新築時にあわせて計画・施工すれば費用は最小限で済みますが、完成後に改めて追加工事を行うと、費用が当初の2倍以上に膨れ上がることも珍しくありません。
さらに深刻なのが「機能性の低下」です。将来への備えを怠ると、いざ必要になった際に最適なスペースが確保できず、動線の悪い場所に設置せざるを得なくなります。初期の検討を惜しんだ結果、病院としての長期的な利便性を犠牲にしてしまうのです。
そのため私たちは、将来的な拠点化の可能性が高いのであれば、正式決定次第すぐに着工できるよう、配置計画だけでも今のうちに組み込んでおくことを強く推奨しています。



