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基礎知識

2025.10.06

緊急離着陸場について(Part4): 設置する主な目的


緊急離着陸場を設置する主な目的は、ビル火災発生時に消防隊が屋上から建物内への進入を可能にすることや、屋上への避難者を救助することなどに使用されると示されています。

※1 高層建築物における火災等の災害発生時の消火活動、人命救助

 

これ以外にも次の運用について示されています。

ヘリコプターによる傷病者の搬送については、医療施設に緊急離着陸場が整備されることにより、搬送時間の短縮、傷病者の効率的な収容等、極めて高い効果が期待できるので、三次救急医療機関をはじめとする高度医療施設を対象として設置の指導を行うこと。

※2 高度医療施設における救急搬送時間の短縮と救命率の向上

ヘリコプターの屋上緊急離着陸場等の整備が行われた高層建築物に係る…(略)…大規模特殊災害時における広域航空応援実施要項に定めるヘリコプターの要請が速やかに実施できるようその内容の充実を図ること。

※3 大規模災害時の物資搬送や緊急医療搬送等

 

緊急離着陸場に消防機関等のヘリコプター等が離着陸する場合の想定は、航空法第81条の2(捜索または救助のための特例)による緊急運航が挙げられます。

※ 前記※1~3への対応については、総論的には理解できるのですが、”有事に備えて平時に行う安全対策”のようなフェールセーフ思想が盛り込まれていない辺りに脆弱さを感じています。

 

緊急離着陸場の基準が作られた1990年当時、消防機関のヘリコプターは、東京都や比較的大きな政令指定都市に配備されている程度でした。防災ヘリコプターの黎明期は1991年以降、ドクターヘリに至っては、ずっと後の2000年以降となります。

(文:ファシリティー事業部 K. I.)

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