融雪効率が良いヘリポートは、どんなヘリポート?
「アルミ合金製ヘリポート」と「コンクリートデッキ製ヘリポート」では
早く雪を溶かすのはどっち?

屋上に設置するドクターヘリ用の病院ヘリポートでの融雪設備に関する動画です。

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雪の降る地域では、道路や建物の玄関、屋根、生活に係わる色々な場所で除雪や融雪を行い、雪害に対する対策が必要となります。それには莫大な労力と時間、費用が伴います。特に、広い面を有する場所では、雪を受ける面が大きくなり、除雪や融雪のための労力はその他の場所以上のものとなります。また、近年では異常気象の影響もあり、その年によるものの爆弾低気圧の影響によって短時間に多くの雪を降らす場合もあります。救命救急患者を搬送するドクターヘリが離着陸する病院ヘリポートはまさに広い面を有する場所となり、雪の降る地域の病院ヘリポートは、雪が降った後でもすぐに雪のない状態に保ち、いつでもヘリコプターを受け入れられるように除雪、融雪を行う対策・設備が必要になります。

この動画は、雪の降る地域の病院ヘリポートで「アルミ合金製ヘリポート」と「コンクリートデッキ製ヘリポート」は、同じ条件の場合どちらが効率よく雪を溶かすのかを徹底比較しました。

ヘリコプターは雪が積もっているヘリポートには着陸ができません。地上ヘリポートに積雪があれば、周辺の雪面と同じ真っ白で離着陸する場所が確認できないばかりか、ヘリコプターが着陸する際に雪の深さが分からないためヘリコプターが雪の中に沈んでしまうなどの問題が生じます。また、屋上のヘリポートであれば、離発着時における風害(ダウンウォッシュ)により、周りの雪だけでなく「つらら」等の氷が飛散する場合があります。そして飛散した物が建物下の歩行者等への危険要因にもなりかねません。また接地面の確認ができなくなると視界不良によって運航上の問題が起こります。そのため積雪地域にあるヘリポートには、安全を確保するために融雪設備がヘリポート面に組み込まれています。

融雪ヘリポートの種類

融雪ヘリポートには、「アルミ合金製ヘリポート」と「コンクリートデッキ製ヘリポート」の2種類があります。
「アルミ合金製ヘリポート」は、荷重を受ける構造部材と発熱する部分との二重構造となっており、熱伝導率が非常に高いアルミニウムは、スイッチオンすればすぐに床面の温度上昇が始まります。電熱線とヘリポート表面(発熱する部分)の間隔は、わずか5ミリしか離れていません。
一方、「コンクリートデッキ製ヘリポート」は、構造部材自体が発熱する仕組みとなっています。コンクリートはクラックが入りやすいため、通常表面から8センチのかぶり厚さ(鉄筋表面とコンクリート表面の距離)を空けて電熱線を敷設します。コンクリートは熱伝導率が低いため、表面温度を上昇させるためには時間を要します。
また「アルミ合金製ヘリポート」の放熱方向が上方向のみに対して、「コンクリートデッキ製ヘリポート」は、デッキ全てを温めるため四方八方に放熱し、無駄な熱を放出することになります。

融雪効率の違い

スイッチオンと同時に温度上昇の始まる「アルミ合金製ヘリポート」は、融雪能力に瞬発力があり、融雪効率ははるかに「コンクリートデッキ製ヘリポート」よりも優れています。瞬発力のある「アルミ合金製ヘリポート」は雪が降り始めたらスイッチオンすればいいのです。しかし、瞬発力のない「コンクリートデッキ製ヘリポート」は、雪が降り始めてからスイッチオンしたのでは間に合いません。なぜなら「コンクリートデッキ製ヘリポート」はスイッチオンにしてから雪が溶け始めるまでに、5時間程度の時間がかかってしまうからです。その間にヘリポートに降り注ぐ雪は、ヘリポートを白く覆い隠し、ヘリポートサインも識別できなくなるためヘリポートは使えなくなります。そのため「コンクリートデッキ製ヘリポート」は、いつ雪が降ってきても大丈夫なように、ひと冬中、常に予熱を行い温め続けなければなりません。

ヘリポートの融雪電気料金の違い

雪が降り始めてからスイッチオンする「アルミ合金製ヘリポート」と、冬場は常に温め続けなければならない「コンクリートデッキ製ヘリポート」では年間の電気料金に大きな差が生じます。
地域差、契約形態の差もありますが、ヘリポートの融雪装置のスイッチオンの時間は、「コンクリートデッキ製ヘリポート」は「アルミ合金製ヘリポート」の5倍から20倍以上となり、年間の電気料金の差に換算しますと、数百万円の出費になることもあるのです。
平均的な融雪ヘリポートに必要な電力量は、1平方メートル当たり300ワットです。ヘリポート面と脱落防止床面で、650平方メートルとすると、およそ200キロワットが必要となります。仮に従量電力料金1キロワット/時間が10円であれば、スイッチオン1時間で2000円の費用がかかることになります。ひと冬中、常にヘリポートを温め続ける「コンクリートデッキ製ヘリポート」の場合、びっくりする電気料金の請求がくるでしょう。
「アルミ合金製ヘリポート」と「コンクリートデッキ製ヘリポート」を比較すると、熱伝導率の高いアルミニウムを使用した「アルミデッキ製ヘリポート」の方が、雪の降る地域で広い面積を有するヘリポートでは融雪装置の面からも大変有効なヘリポートといえます。

今後の取組み

私たちは、さらにアルミ合金製ヘリポートの優位性を示すため、新しいデッキの開発を行い、融雪実験を行っています。今季の融雪実験の模様は、まもなく皆様へご報告できることでしょう。