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こうなった!
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ここがヘンだよ
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ヘリコプターの着陸施設は航空法や消防法あるいは建築基準法により様々な制限を受けています。これらの法律により制限を受けないものはICAO(イカオ=国際民間航空機関)の基準に従うのが世界的な着陸施設の標準設置方法です。

さて、ICAOでは病院ヘリポートの識別標識としては「白十字に赤色のH文字で構成」と指定されています。これは病院ヘリポートの特殊性・緊急性を考慮し通常のヘリポートと識別するための配慮からの措置なのです。言うまでもなく病院ヘリポートへ着陸するヘリコプターには一刻を争う重度の傷病者が搭乗していることが多い訳ですから、パイロットも一分一秒でも早く着陸する場所を確認したいと願うものです。このとき、パイロットの負担を軽減し、少しでも早く傷病者に病院治療を施すことができるようにするために、病院ヘリポートの特殊識別標識があるのです。

右の2枚の写真を見比べて下さい。上は今年9月に供用を開始した飯田市立の病院ヘリポート(正式には場外離着陸場)です。ICAOの基準に則った理想的な病院ヘリポートと言えるでしょう。下の写真は同じヘリポートを通常のヘリポートの識別標識にしたと仮定した場合の写真です。この場合、上空からパイロットがヘリポートの位置を把握するのが大変困難であることが理解できます。

日本の病院ヘリポート(場外離着陸場を含む)はすべてICAOの基準に従った「白十字に赤色のH文字で構成」されているのでしょうか。結論から言いますと、残念ながら殆どの病院ヘリポートがICAO基準の識別標識を標していないのです。

あらゆる分野でボーダーレスが謳われる今、なぜ日本の病院ヘリポートだけはICAO基準の識別標識がないのでしょう。答えは簡単です。悲しいことにその訳は、病院とゼネコンの知識不足・勉強不足にあったのです。

飯田市立の病院ヘリポート



緑色床推薦があるのは高層ビル屋上の緊急避難用施設のみ

消防庁からの指導により高層ビル(45m以上)の屋上には緊急避難用のヘリコプター着陸施設もしくはホバリング活動補助施設の設置が求められています。この施設の床面の色として緑色が推薦された経緯があります。逆に言いますと「ヘリポート」や「場外離着陸場」に関しては、法律や航空局の指導では全くその床面の色には触れていないのです。つまり、屋上のヘリコプター離着陸施設でも、「ヘリポート」もしくは「場外離着陸場」の床面の色は設置者にまかされているのです。

しかし、現実には多くのゼネコン技術者が、「航空法によりヘリポート床面は緑と指定されている」と誤った認識を持っています。同様に「屋上ヘリポート床面はアスファルトもしくはコンクリートで仕上げなければならない」と思っている技術者も多数いるのです。米国ではアルミ製の屋上ヘリポートが最近の主流になっているというのにです(上左写真)。


何のためのコンサルタント

ICAO基準が日本の病院ヘリポートに定着して来なかった責任の一端は、そこに介在したコンサルタントにもあるでしょう。病院ヘリポートと分かっていながら何の提案もせず、ただ粛々と航空局関連の書類のみを仕上げていくだけでヘリポート設置のコンサルタントと言えるでしょうか。病院でも、ゼネコンでも、コンサルタントでもどこかひとつが運用する立場になって真の理想的な病院ヘリポート設置を願っていれば、このような事態は避けられたでしょうに。

飯田市立病院のヘリポート(右上写真)はこれまでの日本の病院ヘリポートのあり方に大きな一石を投じることになりました。



安いと見せかけて高い方を取らせるゼネコン

これまでは日本の病院やゼネコンの勉強不足を指摘してきましたが、勉強不足ではなく、知っているにも拘わらず利益のため間違った方向へ誘導するゼネコンもあるようです。米国では屋上ヘリポートはプレハブタイプのアルミ製のものが主流になってきています。アルミ製ヘリポートは何と言ってもメンテナンスコストが殆ど発生しないことが第一の魅力です。さらにアスファルトや鉄骨製に比べて約5分の1の重量のため、建物本体の構造設計をワンランク落とすことができ、トータル建築コストの削減にも繋がっています。しかしながら、日本ではアルミヘリポートはゼネコンにとっては邪魔なものなのです。

普通日本ではどのビルでも、そこを建築したゼネコンがその後もメンテナンスを行うのが一般的です。建築5年目で屋上ヘリポートのアスファルトはメンテナンス工事が必要になります。ゼネコンは建築5年目に確実にヘリポートの修理工事を受注することができるのです。

飯田市立の病院ヘリポート 米国のアルミ製ヘリポート


また、屋上ヘリポートが重たくなければ、そのための構造部材の割り増し料金が取れなくなります。つまり屋上に重量物を設置するために構造をワンランク上げて受注額を増やす、ということができなくなるのです。 さらに、屋上ヘリポートをアスファルトやコンクリートで施工すれば、これはそのままゼネコンの工事ですが、アルミのプレハブであれば、ゼネコンは購入金額のみが増えて純工事金額は減ってしまうのです。このため、ゼネコンはアルミ製のプレハブヘリポートを色々な理由を付けて排除しようとします。

発注者、特に病院側の担当者はこれからのドクターヘリに対応するには、どのようなヘリポートが良いのか充分に勉強し、強い信念を持ってその設置業務に当ってもらいたいものです。

(2000年10月「ヘリコプターJAPAN」掲載記事)

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